新車がだいぶ前に来てました。今年の5月ぐらいのことです。なかなか書くタイミングがなかったので後回しになっていましたが、年末で時間に余裕ができたので書いてみようと思います。
TIME “VXRS Limited”
パオロ・ベッティーニを筆頭に、トム・ボーネン,トマ・ヴォクレールなど世界で活躍する錚々たる選手達に使用された歴史を持つ伝説に彩られたフレーム。
TIMEは2015年から前三角を剛性の高いモノコックへと方向転換しています。しかし魔法の絨毯とも呼ばれるTIMEのカーボンラグに一度は乗ってみたい。
ZXRSはもう売ってないし、買うならVXRSしかない(という自分への言い訳)
そんな思いから今年の年始頃に勢いで注文してしまいました。。
クロモリフレームからの乗り替えだったため、フレームの大幅な軽量化に成功!と同時に財布の大幅な軽量化にも成功\(^o^)/オワタ
そんなVXRSの詳細とインプレについて、
今回は以下の3つの見出しに分けて書いていこうと思います。
- フレームの特徴
- コンポ・パーツの構成
- ファーストインプレッション
それでは詳細に移ります。
1.フレームの特徴
VXRSのジオメトリは以下のようになります。
数値の意味はですね、正直言ってよくわからないんですよね。
ただ、今まで乗ってたカラミータDueのサイズと較べてみるとほとんど変わらない寸法です。自分のサイズはXSなんですがトップチューブ530,シート角74°,フロントフォーク角度72°などカラミータDUEとほぼ同じ数値です。
ヘッドチューブは121mmなんでやや長いですね。カラミータは107mmでした。
2.コンポ・パーツの構成
コンポの構成は以下のようになります。
重量はカタログ値を列記していますが、実測したところだいたい合ってる模様。この中で特殊なところだけ書きます。
クランクとBBは9000系にしました。これはクランク長167.5に乗りたかったのとトルクに対する絶対的な剛性感が欲しかったためです。最初は4アームのデザインどうなのかなって思ってたんですがプロが使ってるの見てると格好よく見えてきたりして。
ハンドルはTIMEのオリジナルステムとハンドルは高すぎて買えないいきなりカーボン買うのもどうかと思ったのでアルミにしました。握る所が限定されないクラシックな丸ハンが好きなんですよね。下ハンで落差を取れるようにドロップが139mmと大きい3TのROUTUNDO PROにしました。
あとはホイールなんですが、これがかなり変わり者です。GS ASTUTOというメーカーのカーボンクリンチャーPC38にしました。だいたい13万円ぐらいでした。
調べていると中華系の材料を使ってティム・スミスという外国人ビルダーが組んでいるようです。この方、パワータップ販売のPhatPhiftyというホイール組も任されているくらいなので腕は確かだと思われます。なお、現在はPC38は廃盤となり上位グレードのコンペディションモデルのみになった模様です。
(※写真はリムハイト50mmのPC50です)
このホイールはインプレ情報がほとんどないため謎でしたが、実際に走ってみるとこれがなかなか良いホイール。リムハイト38mmで前後1,380gとBORA ONEの35より軽いのです!
リムはおそらくギガンテックス製の38mmクリンチャーリム。
ハブはGS ASTUTOオリジナルハブですが中身は台湾のOEM製と思われます。
スポークは公表されており、台湾のPILLER社のPSR Extraです。番号は不明ですが1422かな?楕円スポークです。φD2が0.95mmでW2.0mm。CX-RAYよりは幅と強度があるといった感じです。空気の抜けはそこそこいいですが、スポーク本数が多い(前20,後24)ため、空力ではBORAとかよりはやや悪いのでしょうかね。
難点は、ラチェット音が爆音ということと、ホイールバランスの悪さ。歩行者にアピールするという点では良いかもしれませんが、本当に音がでかいのです。それとホイールバランスはデフォルトだと取れていないので、鉛の重りをつけるなどしてバランスを取ってやると劇的にフィーリングが良くなります。ちなみに自分はゴルフクラブにつけるような奴を方輪あたり10gずつ付けてバランスがとれました。
あとは特に語るべきことはなく、コンポはアルテがほとんどでブレーキだけ105です。これは黒い方が全体的に統一されてカッコいいとかいう極めてどうでもいい理由です。
ボトルケージはTIME純正が1個しかないので形状がそっくりなエミネンザのカーボンボトルケージ(BOT-57)にしました。なんとなく統一感が出ますね。
で、組み上がった結果・・・
最終的にこんな感じになりました!
(;´Д`)細くてかっこよす
詳細な写真はあとでまとめてアップしたいと思います。
3.ファーストインプレッション
ファーストと言ってももう半年も乗りましたしレースもたくさん出ました。
そして比較対象がクロモリのカラミータしかないので、この比較にどこまで意味があるのか、という疑問はありますが、それを前提に。
率直に言って、このフレーム思ったよりは硬いです。昔のインプレとか読むと「しなる」とか「バネ感がある」とか表現されることが多いですが、自分としてはもう少し乾いた硬さみたいなものを感じています。
おそらく製法やカーボンの型は昔のままで、カーボンの素材だけ最新の高強度の材料に変えているからではないかと想像してます。コンポやホイールが昔より高剛性になっていることも影響しているかもしれません。
ただ硬いとは言っても、ある程度の領域まではしなります。イメージとしては800Wくらいを超えると芯を持った硬さを感じます。1200W前後の単独スプリントでも問題なく時速56,7kmくらいまで気持よく伸びてくれます。
それと、硬さとは別に衝撃吸収性は素晴らしく良いです。グレーチングや路面上の段差からの衝撃は、角が取れて確実にマイルドになっています。このおかげでロングライドの疲労感も格段に減りました。
これらのことを一言で表すと「衝撃を吸収する範囲では撓るが、ある閥値以上には力をかけても撓らない。」といった感じで、TIMEが魔法の絨毯と言われているのも分かるなという印象です。
あとコーナーなんかではひらひらする気がします。レース仕様の安定感とは逆に、「ふわふわ・ひらひら」していると思います。これはヘッドチューブの長さが影響しているのかもしれません。高速コーナーだとアンダーステア気味で、思ってたラインより少し外に膨らむ時があるので注意が必要です。ただ、ダウンヒルの時は振動吸収性の高さからか地面に張りつくような安定した印象も。矛盾しているようですが不思議とそんな感じ。
まとめると
- 思ったより硬い
- 衝撃吸収性が良い
- 乗っていて疲れにくい
- コーナーはややアンダーステア気味
- なんかひらひらする
といった感じ。
とりあえずVXRSを買ったことで、もう機材に言い訳できないので、機材に興味が無くなるという自転車ブロガーとしてはあるまじき現象が起きています。
あとレースで落車に異常に怯えるという現象も起きています。
ガチレースで使うのは怖いので、落車しても平気なそれなりのロードバイクが欲し(ry
以上、買って半年ほどになるVXRSのレポートでした。
弦巻裕保
はじめまして。弦巻(つるまき)と申します。
いつも楽しく記事を読ませていただいてます。
私もカラミータDEU(+ですが)に乗っています。
カラミータの記事からこちらに辿り着きました。
できれば、2つ教えてほしいのですが、カンバラ様の実感として、
カラミータとVXRSの巡航速度と、最高速度に差はありますでしょうか?
ご回答いただけたら幸いです。
kmbr
はじめまして、弦巻様
コメントありがとうございます。
カラミータ仲間なのですね!クロモリ好きに出会えてうれしいです。
巡航速度、最高速度についてですが、パワーメーターがないため感覚的な答えになってしまいますが
巡航速度については同じ程度の力で漕いだとしてVXRSの方がDUEより2km/h程度速いような気がします。
VXRSで37km巡航≒DUEで35km巡航といった感じです。
ロングライドをやった際の平均速度でもそのぐらい違っています。
また最高速度についてですが、これは3,4km違うような気がします。
クロモリのDUEは柔らかいので一気にトルクをかけるとフレームが大きく変形してしまいます。
そのためDUEの場合はダンシングはせずシッティングでじわじわ加速するのが主でした。
最高速度の差にはそのあたりが影響しているかと思います。
しかしクロモリのしなって粘る感じも独特の良さなのですよね。
このような回答で参考になれば幸いです。
弦巻裕保
回答ありがとうございます。
とても参考になりました。
DUEで35㎞巡航は早いですね!
トレーニングしている方との力の差を感じます。
私は32㎞程度を目安に速度維持してます。
35㎞程度維持したいのですが、5分程度しか持ちません。
「シッティングでじわじわ加速する」なんとなくわかります。
都内で乗るので、信号のストップ&ゴーが多いのですが、
周りの方がダンシングしててもシッティングでヌめっと加速して
ついていく感じです。
まあ、私は、クロモリの細身のスタイルが好きで乗っているので、
レースには出てませんが、カンバラ様のDUEのカスタムの方針が
センスいいなぁと思って参考にしています。
一番やってみたいのは、手組ホイールです。
これからもロードバイクのブログ楽しみにしてます。