2年ぶりにツールドひたちなか走ってきました。前回の時は展開に恵まれて優勝している相性の良いコース。今回もあわよくば優勝を狙いました。

思っていた展開とは違ったけど色々と楽しめたレースでした。


正式名:第23回 ツールドひたちなかエンデューロ

リザルト:3時間ソロ 2位/87人(2.3%) 28周

3:01:48 TOP+00:03(S) AVE: 40.2km/h(strava参考) 公式リザルト

日程:2018年11月18日

天候:晴れ

コース:安全運転中央研修所特設コース

距離:4.1km周回コース

コースについては何回も走っているので省略。


今日警戒すべき選手は多数参加している湾岸勢、特に実力的に抜けてる雑賀さんが要注意である。あと森榮さんは直近の沖縄50kmで優勝しているしE1入賞歴もあり手強い相手だ。

他にもJBCFのE1クラスが自分含めて6,7人はおり、ホビー強豪勢も含めて地方エンデューロにしてはなかなか濃い相手が揃っている。

今回Unityからは大津さん、ザキさん、俺の3人。作戦としては大雑把に言うと最後までなるべく人数を残してその場に応じて臨機応変に。また集団スプリントになったら最終盤のポジション争いに向けて俺をリードアウトしてくれたら、という感じだった。

1.レースを振り返る

監督会議ないのマジ最高だ。スタートの30分前くらいにまったりと集合して最後尾からレーススタート。じわじわとポジションを上げながらレースが落ち着くまでは中盤で様子見する。

最初のスタートアタックで一人逃げてたけど3時間はまず保たないので集団内でぬくぬくと過ごす。1時間くらいまでは走りやすい位置を探りながら淡々と。

湾岸勢が前に多数来ており今日は厳しい戦いになりそうな予感。あと森榮さんがめちゃくちゃ逃げたそうにしている。何回も誘いのアタックを打っているがこの時間から逃げるのは早すぎるのではw

とはいうものの1時間経過したあたりでこの誘いに数人が同調する。集団もアタックによる不安定なペースの上げ下げを嫌って行かせろ~の雰囲気。これで森榮さん含む数人が先行する。しばらく逃げを行かせて20秒程度のタイムギャップのままレースは淡々と進む。

最初の展開は1時間半ほど経過したあたり。散っていた湾岸勢が前に集まってきた。これは、、と危ない気配を感じて雑賀さんの近くで注意していると、コーナー明けで湾岸が縦に並んで一気にペースアップがかかる。

チーム数人引き連れて逃げ集団にブリッジする動き。そうなると最悪の展開になりかねない。ここは後ろを離さずマークして素早くローテを回す。危ない。。

結果的に今日の最速ラップが出ているのはここ。逃げとの差も一気に詰まりしばらくして捕まる。またこの動きの中で集団後方はだいぶ千切れた様子だった。

大津さんは無事を確認、ザキさんもしばらくして前に姿を現し一安心。こういう時は前の動きに注意しておいたほうが良い。下手するとレースが終わりかねないので。

逃げがいなくなり一旦落ち着くか、と思いきや先程捕まったばかりの森榮さんが再び逃げたそうにしている。1,2周集団で走ったのち再びアタックしていく。すげえアグレッシブだw

やはり数人が同調して2回目の本格的な逃げ集団になる。差は再び20秒程度。ただ、先程のペースアップで脚を使った集団はやや落ち着きたい様子で、逃げとの差がじわじわと開き出しそうな雰囲気が漂う。

これを察した雑賀さんらが前方で指揮してローテを回し始める。ここはこういう逃げがいつの間にか決まってしまうコースなんだよな。よく分かっている。

で、湾岸勢が主導してガンガン回すのでUnityとしても人を出さないのは気まずい。前方にいた自分がローテに入って逃げを吸収にかかる。あまり脚使いたくないけど勝負を狙う以上はさすがにここはマナーかと。

この2回目の逃げが結構粘り強くて、集団の方も良いペースで回しているのだがなかなか差が詰まっていかない。吸収するまでに4周くらいかかったんじゃないかな。ぶっちゃけここらへん結構しんどかった^^;なんか今日きつくないか?もしくは自分調子悪いのか?と感じた。

実際この前者の感覚は正しくて、今日のレースはこれまでのひたちなか3時間のリザルトを振り返ると過去最速だったみたい。このコースで平均40km/hペースははじめてじゃないかな。終日逃げが発生し続けたからだろう。

話は戻って、ようやく2回目の逃げを捕まえてスタートからおよそ2時間半にさしかかる。今度こそペースが落ち着くか、と思ったが、再びペースを上げる湾岸勢。ひええw今度は集団を絞るための動きか。

しんどいのはみんな一緒なので、ここは我慢どころ。逃げとの追いかけっことペースアップが重なりだいぶ人が減っていったように思う。この時点で20人くらいか?キング、チームも混じってるのでよく分からんけど。

ラスト30分なので最後に向けて息を整えたいな、と申し訳程度にローテしてたらここ休む所じゃないよ~と言われる。確かにここでせっかく千切った組を追いつかせるのは勿体無い。

かと言って下手に消耗はしたくないので脚を使いすぎない程度に集団のペースを守って走る。実際湾岸の方々も脚使ってガンガン回すのでサボれないんだわwいやホント、みんな強くて参った。

このあたりからローテで前を牽いてたら前の5,6人目以降から頻繁に中切れするようになる。意外とみんな脚がないのか?いや、どちらかと言うと休みたい気持ちなんだろう。

考えることはみんな一緒だ。この時間帯あたりから誰か前に出て牽いて~、前走との差を詰めて~、って空気感がだいぶ出ていた。

この動きの中である瞬間ふと気が付いたら2人で自然と20mほど飛び出した形になる。逃げがあっさり決まるのは意外とこういう時なんだよな。

一緒に飛び出してしまった人に「あと30分か~、うーん、逃げますw?」と聞くと「どうしますかね~苦笑」と行った感じ。話しててかなり余裕はありそうだったのと、この時間なら捕まってもまだリカバリーは効くので「試しに少しだけ行ってみますか。」となる。

アンダーパスのあたりから逃げとバレないように恐る恐る踏んでいく。振り返ると意外と差が開いていた。どうせ捕まるだろうと泳がされてる感もあった。

ただこっちとしてはそこまでキツくはないので、せっかくだからもう少しだけ行ってみようとしっかりと踏んでいく。意外と差が縮まらない。じゃあということで徐々に様子見から本気の逃げにシフトしていく。当初の集団スプリントという作戦は一体何だったのか^^;

とりあえず2周くらい逃げ続ける。相方さんが強くてエアロフォームで長くしっかり牽いてくれるので、自分も合わせて良いペースで走る。先頭交代や加速のリズムが似ているので逃げる相方として非常に走りやすかった。

集団とのタイム差は20秒程度でイーブンか、やや縮まっているかという感じ。冷静に見てまだ集団がやや優勢か。ただ、こっちもまだ本気で逃げるか半信半疑状態なので、余裕を残しつつコーナーごとに後ろとの差を確認しながら走る。

やがて灰色のジャージの選手が追い付いてきたのが見えた。この時はようやく掴まったのか、と半分安堵しかけたが、後ろに集団は付いておらず単独ブリッジの様子。聞くと「自分湾岸なんで、この逃げ決まりますよ!」と。ジャージは違うけど湾岸の選手らしい。おや?これ決まるやつ?

というのも今日の集団のリーダーシップは湾岸が取っている状態。で湾岸が逃げに入ったら組織だって追うチームはいなくなる。シーソーゲームがこっちに傾いた瞬間だった。

ここからは完全に逃げ切りモードに入る。湾岸の選手は単独で追いついてきただけあって力強い。登りのダンシングでかなり余裕を感じる。この人もしっかり牽いてくれたので良いペースで回る。

折り返しで差が分かるのだが、ずっと20秒差位を保ち続ける。こっちも頑張っているんだけど集団も勝負どころで必死に追ってきているので差が開かない。残り20分ほど、我慢比べの展開が続く。

後で聞くとここらへんはザキさんが後ろで集団のローテやら単独ブリッジの動きをだいぶ潰してくれてたみたい。特に重要な選手のブリッジには必ずチェックに入ってくれてたみたいで本当に助かった。

ロードレースはこうした表に見えにくいチームプレーが面白いんだよな。リザルトに残らない動きがそこにはある。

逃げのペース配分としては直線は集団のが速いけどコーナー処理は逃げが有利。一度180度コーナーを攻めすぎてペダルヒットして吹っ飛びかけた。なんとか立て直せたけどひやっとしたので以降慎重に。周回遅れの集団も風除けに最大限活用させてもらう。

最後の周で一気にペースが上がりそうなので、その前に貯金を作るべく可能な限り踏み続ける。L4強度をひたすら維持しているイメージで正直辛い。一刻も早く終わって欲しい。ただ甘えて脚を緩めたら差が詰まるのは一瞬のことなので耐えるのみ。

ようやくラスト1周に入りタイム差は20~30秒と逃げ切りが濃厚になる。ただ、ここから一気に縮まることもあるので牽制してるほどの余裕はない。自分はなんとなく最終コーナーまでは牽制なしで行こうと決めていたので牽いていく。

すると最初から一緒に逃げてた方が「自分表彰台はもういいんで最後は2人に譲ります。」と。この人は神かと思ったw

ただ速度は落としたくないので、アンダーパスを登った後あたりから普通に交代してなぜか最終コーナーまで先頭で牽いてしまう。さらにそのまま何も考えず緩い登りの途中まで牽いてしまうという凡ミスを犯す。ホントあれはなんだったんだか。

「あっ。。」

気づくとそこそこ踏み続けた状態で、湾岸の選手に後ろから速度差つけて仕掛けられてしまった。そういえばゴールスプリントもうすぐだったと我に帰り、ワンテンポ遅れて追いかける。

振り返ってもあの時なぜ思考停止してたのか分からない。レースで一番大事な局面なのに。あるいは逃げ切って気分的に満足しちゃってたのか。案外それが大きいかもしれないな。

なんとなく『一緒に逃げる仲間』から『勝負を争うライバル』への気持ちの切り替えができていなかったのだろう。正直な話、これまでこうした形での逃げきり勝ちの経験がなく、展開に不慣れなのだった。

いずれにしても気付いたときにはもう時既に遅く、失った数秒の差を最後まで詰めることができなかった。

まぁ最初の2人逃げなら捕まってた気もするししゃーないか、とぼんやり思いつつゴールを迎えたのであった。

2.反省

レース後に逃げの3人で握手。好きな瞬間だ。レース後に話していて気付いたけど、逃げの3人とも偶然マサトって名前でワロタw確かに妙に団結できた気がしたんだよな。これをマサトの乱と名付けることに。

↑マサトのくだりでみんなワロてる表彰式。ゆるめ。

レース前に思ってた展開とはだいぶ違ったけど、ネタ要素も含めて色々と楽しめたレースでしたw

一緒に逃げてくれた2名のマサトに感謝したい。また協力してくれたザキさん、大津さんとタイム差を伝えてくれたトッシー、本当にありがとうございました。


しかし最後は後から思い返してみるとじわじわ悔しくなるやつだなぁ。あれはなんだったんだろ。正直言うと勝った選手も走りにかなり余裕があったので、勝負してもどうなったか怪しかったとは思う。

ただ勝ち負け云々というより、ロードレースの最大の醍醐味である最後の駆け引きを手放してしまった自分に腹が立つ。それまでの展開は完璧だっただけに、最後がお粗末だった。次は気を抜かずちゃんとやろう。

とはいえ今回は『自ら勝ち逃げを作って最後まで逃げきる』という経験ができたので8割くらいは満足でもある。実は今までこのパターンでレースができたことは無かったのだ。

逃げは脚質的に不向きかなと思っていたけど少し感覚が掴めたかな。これまでは想像の域であったが、逃げのローテというのはどういうものなのか経験できたのは良かった。

やってみて思うのは、一人あたりがある程度長めに牽いたほうが速いということ。特にこのコースはコーナーが多く先頭交代しにくいので、区切りのいいところまでは長めに踏む方が交代ロスがなく速い気がした。このあたりは逃げの人数やコース特性にもよるんだろう。

逃げてからのペース配分としてはstravaを参考に考察すると、結果的に非常に安定していたようだ。

確か飛び出してからは計6周で、

6:19(開始)-6:26(1名合流?)-6:27-6:26-6:25-6:20

平均速度40.9km/h

という感じだったと思う。合流のタイミングは曖昧だけど。パワーメーターなくてこれだけ安定して刻めれば上出来か。逆に何も見ずにこれ以上上げられない上限域で走り続けたからこそかもしれない。

さて、次は今シーズン最後のレースである茂木のエンデューロ。悔いのない走りをしたいところだ。