↑みんな泥だらけw 注)シクロクロスではありません。(photo by 賀来さん)

ツールドひたちなか走ってきました。

今回はこの写真がレースのすべてを表していると思う。悪天候というのは嫌いだけど、記憶に残るという意味では悪くないなと思いました。

正式名:第19回 ツールドひたちなか

リザルト:3時間ソロ 1位(優勝)/116人(0.8%) 27周

3:01:23 TOP+00:00(S) AVE: 36.61km/h 公式リザルト

日程:2016年11月27日

天候:雨

コース:安全運転中央研修所特設コース

距離:4.1km周回コース

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↑ある程度減速が必要なコーナーは3か所で、それ以外はブレーキ不要なコース。ただ今回は悪天候のため皆コーナーが慎重になり平均速度的には遅めだったかな。

1.レース前の準備

先週の城里TTの翌日から肺炎のような症状が出る。咳が血の味がするというなんとも怖い状態がしばらく続いた。。このため水曜のチーム練習会では抑え気味に走るなど体調回復を優先させるべく調整週とした。

脚の仕上がり自体はジャパンカップ以降かなり良い感じ。ただ内蔵系だけがどうにもダメで、回復傾向ではあるが当日の体調としてもあまり良くない印象であった。

今回の3時間ソロはUnityからは7人が出走となる。地元茨城県でのレースであるため、活動をアピールすべくチーム全体として好リザルトを狙っていた。

直近で行われたUnityのチーム反省会MTG、という名の飲み会で酔っ払いながらも割と真剣に各々の役割が話し合われた。

自分の役割としては、逃げが決まらなかった場合に大津さんと連携して最後のゴールスプリントを狙うこと。このため、なるべく最後まで脚を使わずに温存することを意識する。

その他では山倉くん、山田くんは逃げのチェックに入りあわよくば逃げて、鎌田さんは逃げ切り狙い、ザキさんと仲沢さんは展開を見つつ自由に動くといった感じ。

ただレースは水物であり思い通りに行かないことの方が多いので、大筋だけ決めてなるべく最後まで前に人数を残そう、といったオーダーであった。

機材的には、長時間のレースなので疲労しにくいTIMEを使おうと思っていた。が、雨のためホイールのブレーキ性能や落車リスク等諸々考えた結果、安定のGDRで行くことに。正直会場にはどっちも持っていってレース直前まで迷っていた。

またシューズはあえて履きなれたシマノの入門用シューズで。新しいS-Worksを長時間のレースで使うと剛性が高すぎて脚に来るためである。実はこの選択が後々良かったのかもしれない。

補給はジェル3個をフラスクに入れて背中に。ボトルは気温が低く1ボトルで十分と判断。この他、レース直前にVespa Hyperを飲んどく。このアイテムは長時間競技では反則級の効果あり。

格好は調整しやすい半袖半パン+アーム&レッグウォーマーとした。

2.レースを振り返る

明け方から降り続く冷たい雨は結局止むことなく、ハードなコンディションでレーススタートとなった。前走者の水跳ねがすごくて、いわきのトラウマを思い出す。しかし今日はサングラスがあるので大丈夫だ。

開始から30分は集団の人数が多くてバタバタする。雰囲気的に序盤の逃げが決まりそうにないので、しばらく中盤の走りやすいあたりでうろうろする。

今日は脚を温存するためインターバルの強度を下げようと思い、立ち上がりで強く踏まないように意識する。多少前と空いても集団の人数が多いうちは誰かが埋めてくれるし、じわじわ走れば意外と楽に追いつけるものだ。(短時間のクリテでこれをやると番手が下がりまくるのでNGだけど)

そんなこんなで1時間ほど淡々と経過。山倉くんと山田くんが逃げるまでは行かなくとも前方~中ほどにかけて活発に動いているようで心強い限り。自分はとにかく体が冷えて辛い。

強度的に心拍が上がらないので、ここらで体を暖めるべく前に上がって何回か様子見のアタックをかけていく。多少集団を絞りつつ、どの程度本気で逃げたい人がいるのか探ってみる。

今日のライバルであろう選手の一部を挙げていくと、練習仲間の湾岸竹内君は逃げたそうだけど自らガッツリ引くほどではない感じ。同じくGreenの森田君はアタック時の勢いが良すぎて周りが着いていけてない?単独で2時間近く逃げ続けるのはあの剛脚でも厳しいだろう。

こちらが一方的に名前を知っているイナーメ生天目さんは中盤待機で逃げるつもりはなさそう。草野さんはLINKのジャージじゃないのでよく分からなかった。ということで今回、天候がハードなのもあってなんとなくチーム以外からの逃げはなさそう?

途中から鎌田さんが逃げ始めたので中盤に下がって再び淡々と走る。しかしこの残り時間から単独で行く心意気はすごいな。3周ほどで捕まったみたい。

やがて2時間が経過、雨は小降りになり、だいぶ集団の人数が減ってくる。鎌田さん、大津さんは安定して前方におり調子が良さそうだ。ザキさん、仲沢さんと自分は中盤付近でまとまって走り、サングラスが泥で全然見えねー、とか拭けばちゃんと見えるようになるぞ、など会話を交わしつつ淡々と走る。

このあたりから先はいつ展開が生まれてもおかしくないので、すぐ反応できるようなるべく前に上がっておくことに。途中で大津さんに脚の残り具合はどう?と聞かれたので、スプリントだけならなんとかやれそう、と回答する。実際省エネ走行が功を奏してかそこまで疲れている感じはしなかった。

他のチームメートは結構脚に来ているらしく、比較的脚が残っている大津さんと自分が連携して行くべく前方に位置取る。途中で何回か前方の抜け出しに反応していたら鎌田さんが「ここは俺が行くから脚溜めといて。」と熱い漢の走りを見せてもらう。これに応えないわけには行かない。それにしてもここまで何回も逃げてるはずなのにアタックを繰り返せるのはすごいな。

残り30分くらいのところで集団中ほどの大津さんと鎌田さんの密談(オープン)が聞こえてくる。ここらで軽いジャブでも、とのことだったが、割りと本気の右フックくらいはあるだろう勢いの良い抜け出し。アンダーパス後の登り返しからUnityの2人逃げに突入する。これはかなり熱い展開!!

 

集団とは10秒差前後で推移、決まるか決まらないか微妙な線で、ひとまず集団前方でローテには入らず2人と集団の駆け引きを静観する。途中で生田目さんと草野さん(推定)がブリッジをかけたため、追走ローテが機能しにくくなり徐々に逃げとの差が開きはじめる。残り2周に入り、差が20秒近くまで開いたところで前が勝ち逃げであることを確信する。

ここで定石としては、自分は保険として集団に待機してスプリントに備えるのがお決まりだけど、前が2対2なので3対2にできればより確実に勝てるなと。しかも集団にはまだザキさん、仲沢さんらもいる。色々と行くための理由を付けて言うが、メンバーの熱い走りにテンションが上がってしまったというのが正直なところ。

脚を温存していた甲斐あって今日の感じだと1周30秒差までならブリッジできる気がしたので、ダメ元で踏んで見る。ただし集団を活性化しないようにじわじわと。カーブ区間に入り前が見えにくいところでしれっと加速する。

Uターンしたところで後ろが結構離れていることを確認し、一気にペースを上げる。1分くらいそれなりの強度で踏んで振り返ると1人ついてきてしまったようだった。。まぁ数的同数な状況は変わらないので、ここまで来たら前進あるのみ。ブリッジ後の展開も考えて上げすぎずにペーシングする。

2/3周位かけて先頭集団に合流したところでちょうどラスト1周に突入する。大津さんに後ろの集団は追走が機能していないこと、この面子で勝負が決まることなど伝える。「最後に備えてしばらく休んで。」と言われしばし後方で待機。ありがたし。

生田目さんと草野さんともう一人の方がところどころペースを上げていくが2人が対応してくれて助かった。とくに生田目さんは独走力があるので絶対に離れないように注意する。

このコースはアンダーパスから最後のコーナーを抜けるまでの位置取りが非常に重要で、やはりそこに向けてペースが上がる。しかしわりと余力を保って対応できて、最終コーナーも無事に前方でクリアできた。これは行ける展開。しかしここから先は集中力が必要だ。緊張感が高まる。

誰が最初に行くか周囲の動きに細心の注意を払う。

と、最後に緩く登りきる手前のところで大津さんが早めに掛ける。残り600mくらいのところからのロングスプリントに、無言のメッセージを受け取る。

大きく先行した大津さんに生田目さんが地脚使って追いついてそのままゴールスプリントに突入しそうなので、自分は急いで加速してその番手に滑り込む。まだ結構な距離があるが生田目さんの勢いは全然衰えない。すごい。。

差し返されるのが怖いので残り200mまで待って後ろから一気に踏み込む。立ち上がった瞬間に太ももが攣りそうだったのでシッティングで全力でもがく。勢いつけて1車身ほど差し切ったところでゴール!

自分が勝った?本当に?しばらく状況がよく理解できなかった。

↑大津さんのガッツポーズが熱いw オールスポーツの写真で正面からめっちゃキレイに撮れてるのがあるので買ってあとで差し替える予定笑

3.反省

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↑Unityから3人も表彰台に!
↑ここぞとばかりに貼っとく。この景品、中身はハムの詰め合わせでした。写真撮る前にほぼ食われててワロタw
↑レース後、とにかく寒くて集まりが悪いの図
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まさかの初勝利。そして大津さん5位!鎌田さん6位!みんなおめでとう!&ありがとう!

自分が何かで優勝できるとは思わなかった。そういうのはどこか遠い世界の話だと思っていた。

正直、自分の力がどの程度かは自身がよく分かっていて、生田目さん、竹内君、森田君、草野さんなどは個々で戦ったらまず敵わない相手である。

しかしチーム一体として連携しながら走り、みんなが各々の役割を果たして理想的なレースができた結果、こういう結末もありうるということが示せた。自分が勝ったこと以上にチーム全体で良い走りができたことがすごく嬉しい。

助けてくれたUnityのチームメートに深く感謝したい。また悪天候の中応援に来てくれた方々にも感謝したい。特に最後の20分間のメンバーの熱い走りには興奮したしすごく楽しかった。ロードレースは本当に面白いということを痛感した最高のレースだった。

これに満足せず、来年は実業団レースでも勝てるようになりたい。

これで年内のレースはほぼ終わりになる。あとは行田クリテで猛者達に現実を突きつけられて一旦冷静になる予定です。