結論から言うとDNFでした(^ρ^)

今年走った中で最もハイレベルで格式あるレースでした。

正式名:ジャパンカップ 2016オープンレース2組目

リザルト:DNF (5周目) 公式リザルト

日程:2016年10月22日

天候:晴れ

コース:宇都宮市森林公園周回コース

距離:72.1km(10.3km×7周)

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↑コースはこんな感じ。スタートから古賀志山(1.1kmで95mアップ、平均勾配8%)を登って高速で下って平坦、ゆる登りをこなしてスタート地点に戻ってくる1周10.3kmのコース。パンチャーが有利なコースか。

 1.レース前の準備

前週の南魚沼2DAYで一気に負荷がかかったため全体的な調子は上向き。ただ、治りかけてた風邪がぶりかえしてしまい、だるさと喉の違和感と咳が止まらない。このためレース前の1週間は体調を整えることを優先しレストウィークとした。

水曜に高強度のL5-5min×3セットで短時間だけでも追い込んでおく。心拍の上がりは悪くない。木金は乗らず風邪はほぼほぼ完治、脚の調子もわりと良さそうな状態でレース当日を迎える。

 

2.レースを振り返る

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↑終始こんな表情でした。。

スタートリストを見るとプロツアークラスやE1上位の選手が大半を占めている。エントリーするカテゴリーを間違った感が半端ないが、今日は年に1回カテゴリー詐称が許される日。普段自分が走っている実業団E3カテゴリーではまず一緒に走ることができない豪華すぎるメンバーでわくわくする。

スタートの1時間前に行くと待機列の3列目に並べた。しかしスタート位置までの小移動でイン側が不利につき全体の真ん中ぐらいになる。U23による1組目のスタートから2分後の11:02にオープンレース2組目がスタートとなった。

 

【1周目】LAP16:05 古賀志3:34

スタートしていきなりみんな全開。噂通り1周目の古賀志林道からすごい勢いで山に入っていく。自分としてはもう最初から致死量で、普通のレースであれば最終局面とも言えるきつさが続く。登坂も半分を過ぎると垂れる選手が出て来て、密度が高くて抜くのに苦戦しつつもここは必死に着いていく。あとで参加者のログを見返すと5.5~6倍の強度で3分30秒の登坂のようだった。

 

そして本当の山場はこの後。普通のレースであれば下りは多少休むところだが、ジャパンカップは噂の通り下り・平坦も鬼のような速度となる。下り・平坦はわりと得意な方なんだけどそれでもレイクランドCC脇の下りはかなり踏まないと前の選手と離れてしまう。

 

なんとか食らいつき県道入口交差点を左折したところで1列棒状に。遥か先の先頭集団との差を見て、軽い絶望感を覚えつつ追っていく。ここで既に中切れが頻発する。ゆるいアップダウンの区間を、中切れを埋めつながら走り、田野交差点に至るまでに先頭集団の後方になんとかブリッジする。が、この時点で既に心肺は瀕死状態である。しかし左折後にすぐ登り区間が始まるため、まったく休まるところがない。ここで少しだけ後ろを振り返ると既に後方にはパラパラと選手が千切れていて集団の数は1周目にしておよそ半分、60人ほどになっていた。自分は最後尾付近でかろうじてドッキングできたという状態であった。

 

【2周目】LAP17:36 古賀志4:03

きつい状態のままスタート位置まで登って2周目に突入する。ダム湖の周りの何でもないコーナーで落車があったが巻き込まれずに済んだ。前の周を上回る勢いで2回目の古賀志山に突入して行く。まったく冗談としか思えない速度。回復が間に合わず登り始めから既にピンチである。

 

上位陣にしてみれば余裕のペースなんだろうけど、案の定耐えられず古賀志山の残り500m位の勾配がきつくなるところでオールアウト、ここであっけなく先頭集団から遅れてしまう。同じく遅れた選手どうしで下りはじまるも、そこについていくことすら厳しい状態で、ここはひたすら離れないよう耐えるのみ。後ろからブリッジする選手に便乗しつつ散らばった選手どうしで10人くらいの小集団を形成する。しばらくツキ位置で休んでいたと思うが、辛すぎてこのあたりは記憶が曖昧である。こんなに辛いならいっそパンクでもしないかな、なんて考えが頭をよぎるほどだった。

 

県道に出たあたりで小集団内で多少ローテーションに入れる位には戻ってくる。なお、ここから完全にツキ位置を決め込むという選択肢もなくはなかったが、それをやった瞬間に心が折れてしまうような気がしたため、辛くても可能な限りローテーションに入ることにした。確かに辛いが次第に慣れてくるしその方が気持ち的にも落ち着いてくる。このクラスのメンバーとのローテーションは動きに無駄が少なくとても良い経験になった。

 

【3周目】LAP17:21 古賀志4:15

10人程度の小集団でローテーションしつつ3周目の登りに入る。2周目で同じく千切れているメンバーなので、登りのスピードは最初に比べて遅いながらも安定しているため走りやすい。ただ、集団内で力がある選手の何人かは登坂で速度を上げて前に行ってしまった。自分はそこについていけず集団に残って下りに入る。追走集団とは言え見渡してみるとメンバーのレベルは自分よりずっと高いカテゴリーの選手たちで、下りや平坦のローテーションも言葉なしにキレイに回っているのはすごい。3周目完了時点で先頭から3分差とのことだった。ということは1周につき1分半ずつ差がついているようだ。このペースだと残り4周で6分差ということで完走ギリギリの状態か。

 

【4周目】LAP17:33 古賀志4:16

前から落ちてくる選手をピックアップしつつ小集団は進む。メンバー数が増えたり減ったりしつつ最大で15人くらいになったか。そこにはブリジストンの藤田選手なんかもいて、ここから遅れなければなんとなくFAD完走はできるだろうか、などと考える。自分はペースが安定したことで心肺的には回復してきたが、その代わりに右の脹脛に攣りそうな気配。何回かコーナー立ち上がりにダンシングした際に攣りかけたので、以降シッティング縛りで行く。また強度が高くてずっと全身が強張っていたのだろう、腰の痛みも出てきた。

 

【5周目】ゴール地点前にてDNF 古賀志4:11

脚が攣る兆候がさらに強くなる。心肺的には問題ないが脚のほうがどうも限界に近いようだ。こういう経験は今までにない。登坂はわりと良いペースで牽引できて、下りや平坦もそれなりに踏めた。しかし田野町交差点からスタート地点に戻ってくる登りの途中でついに右の脹脛が盛大に攣ってしまった。集団から離脱し痙攣が治まるまで道端で脚を伸ばしつつしばらく静止する。森林公園に至る杉林の中はレース中とは思えないほどとても静かだった。30秒ほど黙って痙攣が治まるのを待つ。再び跨って漕いでみるが、脚の状態がどう考えても走れる状態ではなかったため、ここでレースを降りた。1,2分後にCOMカーが来て背番号を確認されてDNFとなった。

 

3.反省

完走できずDNF。これまでに経験したことがないようなレース強度であり、自分のキャパシティを大きく超えていたと思う。何も残っていないという状態まで出し切って完走すらできないという状況にかえって清々しささえ感じた。

ただ、もう少しでFAD圏内なら走れそうな実感、遥かに格上と思われる選手と走れる経験を得られたのは本当に貴重な時間だった。ちなみに自転車に乗っていて脚が攣ったのははじめてのこと。翌日も変なところが筋肉痛になっていたことから、まさに未体験の強度のレースであったと言える。

自分のキャパシティが広がった気がしたし、目標とすべき強度やレベルを身をもって実感できたのは非常に良かったと思う。

 

先頭集団の選手のログを見ると、古賀志山は3分30秒から、速い周回で3分10秒で登っているようだ。また、周回のペースとしては遅い周回で16分30秒から、速い周回で15分40秒で走っている。あれだけ辛かった最初の古賀志はむしろ遅い方であったというのは驚きである。

実感としては、出力は落とさず体重をあと2,3kgほど落とさないと完走・FADは困難と感じた。古賀志の登りでギリギリでは話にならず、少し余裕がある位で登れないと下り・平坦で集団の良い位置で入れない。

逆に下り・平坦を良いポジションで走り集団内で出力をなるべく抑えて走行できれば、次の登りまでに多少は回復させることができるので良いルーティーンの中で走れるだろう。

今日で言えば2周目の登りに耐えられるかどうかが自分的なポイントであった。そのためには最初の下り・平坦を前で入ること、つまり最初の古賀志を登りきる位置が重要であった。

もっとも、そのことは事前のアドバイスからわかっていたのだが他の選手より根本的な出力が足りないため前には出られなかったのが悲しき実情であったが。

 

■先頭集団について行くには

最低でも6倍強度の3分半を7回走れないと先頭集団にはついて行けないと思われる。なお、下り・平坦も鬼のように速いため、回復する時間は限られる。

 ■完走するには(先頭から完走時間5%以内)

リザルトに残る完走は、先頭ゴールから5%以内となること。言い換えるとおおよそ先頭から5分以内にゴールするには、今日の雰囲気的に先頭集団ドロップ後に1周あたり1分30秒差がつくとして残り3周回までは集団に残る必要がある。つまり古賀志山を4回は先頭集団で耐える必要あり。その後うまくグルペットが組めれば規定の時間内に完走はできそうだ。

 ■FADになるには(先頭から10分以内)

リザルトを見ると今日の追走集団内に最後まで残れていればFADは可能だったようだ。脚が攣らなくするには、考えられる原因はいくつかあるが、このあたりは今後分析して行こう。

4.まとめ

振り返ってみてジャパンカップに参加してとても良かったと思う。応援してくれたチームのコバさん夫妻、会社の先輩や田辺さん、本当にありがとうございました。来年は絶対に完走したい。このレースの独特の緊張感はクセになるな。

また、その前に11月に今季のJBCF最終戦となる幕張クリテがあるので、そこで結果を出せるように頑張りたい。